命名
- 2017.02.19 Sunday
- 02:41
特別養子縁組の法案も通り、施行に向けて法整備されているようですが裁判所の判断も見直す事になって欲しいと思う毎日です。
法案の中で重視したいのは子供がルーツについて知りたがる場合はきちんと伝える・縁組後実親が子供について情報が欲しがる場合は情報提供をする・縁組後であっても養親のサポートは勿論、相談に乗り必要であれば家庭訪問も何度も実施する・・・当会では交流会が盛んですし真実告知も必ず実施して頂くので何ら心配はないと考えております。
実親が引き渡し後何ら連絡がなくても時間が経過して子供との再会や情報提供を希望した場合もそれに答える義務があります。
昨今、月例児や歳児も若干養子縁組として増えております。
その場合、子供の名前はすでに実親さんが命名しており、多くは改名はしない方が多いのですが場合によっては改名した方がいい場合もあります。
それは養子縁組を後から考えた場合、実親が必要に迫られて命名しあまり考えずにつけてしまったとか始めの養親が何らかの事情で命名した後にキャンセルし次に自分たちが迎えた場合、近い身内に同じような名前の人がいる場合などです。
当会では養親に命名して頂きますが他の団体では実親に命名して頂く方針の所もあります。
「養子に出すのに実親が命名するのは辛い」と言う相談も時々受けます。
多くは頑張って育ててみたけど無理になり養子縁組を考えた実親達ですから子供の名前もそれなりに考えて呼んでいたはずです。
一応実親には裁判確定後、「養親側も名前を考えているんだけど改名してもいいでしょうか?」と聞いていますが大半は嫌がります。
それは当然ですね。嫌がる場合は勿論やめて頂きます。
「自分の力が足りないばかりに養子に出すのは分かっているが自分でつけた名前を呼べないのは辛い。新しい名前では呼べない」と言います。
これは当然の事でしょう。どんなに小さい命でも頑張って生んだのですから名前を呼びながら抱っこしたり語りかけていたのを思い出すでしょう。改名したらもう自分の子供ではない、特別養子縁組だから縁は切れてしまっているから仕方ないと理解していても改名は嫌だと言うのが本心です。
逆に「自分たちは望まぬ妊娠で出産したので名前をつけたくなかった」と言われた時もあり「養親さんが好きな名前に変えてもらった方が幸せです」と快諾したケースも若干あります。
毎回、実親さんに確認して進めて行きますがどこかの団体で養親が改名の裁判を起こし却下された報告を聞いた事があります。
特別養子縁組は実親が決断したから決まる縁組です。
そしてたとえ今は実親が音信不通になっていようと時間の経過と共に連絡して来るケースもございますのでその際、実親の悲しむような報告はしたくないと思います。
「実親さんがつけてくれた名前だから大事にしますよ」と言って頂く時は本当に嬉しいです。
「縁組したら名前変わるんですか?」と恐る恐る聞かれる時、「嫌ならしないからいいよ」と言ってあげると「安心した!」と笑顔になります。
資料に「子供の名前は養親が命名する」と言う一文があり「どんな名前か知りたい」と出産報告の際にせっつかれる時もあります。気にしているんですね。
「いい名前で良かった」と言ってもらえると嬉しいですが内心違う名前がいいのかなという顔をする親もいます。
「今度、自分で産んで育てる時まで大事にその名前をとっておいてね」と言うとそうですねと諦めてくれます。
実親にとっても名前は重要なのです。
名前が全てではなく生まれて来た事が最高、生んでくれたことが幸せにつながる縁組でなければなりません。
養子縁組は子供の丸ごとを受け止めて行かないと先には進めないと思います。
また一つ新しい命の誕生です!
よく生まれて来たね!
幸せになろうね!!