北は最北端からのSOS

  • 2013.07.28 Sunday
  • 01:07
 先日は、午後から緊急の連絡が入りました。
北と言うと北海道・・・ご縁の強い地域ですから凄く力が入ります。
でも・・・内容はそうは簡単にいかない感じ。
まず未受診で予定日は今日・明日・明後日という今でもおかしくないほどいつ生まれてもいい状況でした。

そしてどこに住んでるか?「稚内」と言います。
さて、稚内とはどの辺だったかなと頭に日本地図を描いて、北海道を描いて札幌を描いて・・・確か上の方にそんな名前があったような。
話を全部聞いてみると今の住んでいる地域では病院が1つしかなくてまた事情があるからそこでは生みたくないという事で近い病院は?
「2、3時間離れた病院」という事でどうしたらいいのか?
まず稚内までの便が1日に本数が少ない事と空港から次の病院まで2、3時間かかり行くとしたら夕方になり病院は翌日に行くことになる。
しかし行ったからと言って必ずしも未受診患者を診察してくれるか?という問題も残る。

もう1つは思い切って札幌の協力病院まで連れて行きお願いする・・しかし特急で5時間かかる。車よりは早いけど乗り物をこの時期長時間載せて影響が出る可能性が大・・車内での陣痛を引き起こす可能性もある。
わ〜い!どうしたらいいの?迷う、悩む、どうするべぇ???
「仕事もあり子供もいて・・親と住んでいて親には秘密」というので「そんなこと言ってる場合じゃないでしょう。家で生まれたらそれこそ大騒ぎになるのが分かりませんか」と怒鳴った。
現実を知ったようで実親さんはもうまな板の鯉状態でお任せになった。

始めは稚内空港から2、3時間かけて移動し次の病院に翌日早朝に駆け込むつもりでしたが、やはりどうせお願いするならば札幌、夜も8時半なのに看護師さんが院長を探して連絡をして下さり「どうした?」とあの優しい口調で聞いて下さり事情を伝えると「いいようちは。連れておいで。構わないからね。待ってるから」と1発OKでした。
飛び上るほど嬉しくて即座に実親さんに連絡して準備に入られせた。
未受診・母子手帳もない、何もしていない状態から半日で明日は私と面会し5時間かけての大移動、大きな掛けでした。
無謀と言えば無謀ですがどこで生んでも同じならば共に叱られる覚悟で祈りを込めてドキドキしながらの電車の旅でした。

稚内空港も始めです。遠いというのが感想。
でも非常に涼しい。寒いくらい。爽快でした。
日本の最北端まで来ました。
電車の発車まで4時間もあり近くを車で観光させてくれました。
と言っても何もないと言います。
海だけ見ても綺麗だしこれから何が起こるのだろうと不安もありましたが「きっと守られる」と思い実親さんと話たりお昼を頂きましたがここは北海道、海の幸豊富な海鮮どんぶりにしました。
てんこ盛りでおしかった!これが至福の時というのでしょうか。
たっぷり稚内で過ごして駅に向かいやっと乗車が来て乗り込み揺れる揺れる右に左にぐにょぐにょと。
「赤ちゃんがよっぱらってしまわない?」と笑いました。

夕方5時の出発でしたから進むに連れて外は真っ暗闇、走っても走ってもなかなか着かない。
そして見えるのは林や畑など似たような風景ばかり。
たまに湖がチラリ、暇でしょうがない。
実母さんは長く座ると腰が痛いと腰をさすっていました。
ここまで来てしまった事は同情も出来ますがやはり危険が大きいと言いました。

揺れる電車で私もお疲れでした。
昨日の昼の電話で1日後はすでに稚内経由で札幌に下がっています。
自分でもすごい事をしてると思いつつ危険は承知です。しかしもうやるしかない!いつもの事です。運が良ければ全て上手くいくはずです。

夜の10時に札幌駅に到着し、その晩はスタッフの家に泊めてもらう事にしてタクシーで向かいました。
6月のシンポジウムから1ヶ月もたたないうちに思わぬ再会です。
とにかく無事に着いて良かった。
実親さんは先にお風呂を頂き、先日のNHKの録画を見ていました。
先に休ませて私はまだ興奮が収まらない気分でスタッフと話して2時過ぎに寝ました。
疲れていても緊張してるのが分かります。
だから眠りが浅くて何度も目が覚めて横で寝てる実親さんの様子を見ました。
朝は無事に迎えられたようで朝食を頂き、スタッフに送られて院長の待つ病院に向かいました。
そう待たずに呼ばれて診察し、私もその後に呼ばれて「子宮口が2cm開いているから午後には生まれるよ。あれはだいぶお腹が張っていたと思うよ。何もなくて良かったね。」と言ってもらい安心しました。

個室に案内されて大きな個室でなんでもあり、ゆっくり過ごしてもらう事にしました。
私は残りたい気持ちでしたが緊急で行動したので後がつかえて帰るしかないと言いました。
病院に任せて急いで空港に向かいました。
帰りの便で最後部座席で一人「何もなくて良かった。守れて良かった」とつくづく思いました。
またあの院長に助けて頂けた。
こんな緊急でもこんな悪条件でも愚痴も言わずいつでも引き受けて下さる、北の大きな支援者です院長は。
それから自宅に帰宅する前に「2時50分に無事に出産した」と連絡があり先生も看護師さんたちも皆さん優しくして下さり本当にこの病院に来て良かったとありました。

私も同じ気持ちです。
こうして1件づつどのケースにもドラマがあります。
簡単に子供が来ることなどあり得ません。
そこにはこうして沢山の人の力と真心があります。それを皆さん、どうぞ忘れないで下さい。
自分にはこの時のこの緊張が自分を支えています。
「絶対に守る!絶対に自分は出来る!」そう思いながらレスキューしている自分がいます。

北の最北端、稚内と言う地で始めは一人知らない土地で何かあったらどうしようかとも思いました。北海道は広い!そして次の場所が非常に遠い。
太陽パパやまーぼ&こっこさん達に応援と言ってもやはり遠い、私に何ができるかと考えたらこれしかなかった。
日本中、いつでもこうした事態は考えられます。
次はどうするだろう?と考えながら帰宅しました。
そして翌日は岐阜県に向かいました。


 
  
北の最北端に来てしまいました



  


海鮮丼・・・美味しかった!

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