別れの目線

  • 2012.01.28 Saturday
  • 01:07
 どんなに明るい実親さんでもどんなに普段泣かない実親さんでも出産後、退院して赤ちゃんとのお別れの時は格別な時間があります。

退院の前夜はどんな思いでいるのか・・・その日が来なければいいなぁと思っていることでしょう。

どんなに若い実親さんでもまつげクルンクルンのギャルでもこんなあっけらかんとした親でも・・・最後に抱っこしていると静かな空間が出来ます。
私は「さぁ〜お母さんにさよならだよ。生んでくれてありがとう!幸せになるよ。またいつかどこかで会おうね」と横で語りかけますが大半の実親さんは無言でじっと赤ちゃんの顔を見てるだけ。
赤ちゃんの顔に穴があくほど眺めてそしてツーツーと1筋の涙を流す親もいればぐっと堪えている親・顔を何度もなでて無言の親もいます。

最後に聞けるのは「生んで良かった」「マザ−さんと出会えてよかった!」と言う言葉は本当に嬉しい!
ここまでお世話した甲斐がありました。

ある実親さんは生まれて子供が小さい為にしばし入院になり先に実親さんは退院してそれから1日おきに面会に通ったそうです。
駅からバスで病院まで行けますが170円が高い、もったいないと産後なのに歩いて面会に行ったそうです。
私が面会に行ってそれを聞いて帰りは私と一緒に駅までバスで帰りました。
「170円がもったいない」と言うのです。
若いのに育ててはやれないけど退院するまでは通おうと思い寒くても天気が悪くても我が子会いたさにひたすら駅から歩いたそうです。

口数の少ない、しっかりした実親さんでした。
ソーシャルワーカさんも「若いけどしっかりしていますよ」と感心しておりました。

最後に「大丈夫?辛くない?」と聞くと「もう散々泣いたから・・・面会に来るたびに大きくなっていてこのまま育てたいなぁとどんなに思ったことか、でも長い将来を考えたら無理なのが分かるから。親も頼れないし兄弟も下は反対しているけで誰も自分の生活でいっぱいいっぱいだから口だけの支援は欲しくない。自分で十分に考えたから大丈夫です!」と言いきりました。
しっかりした自分の考えを持った親でいつもこうだと私は助かります。

時々、色々な実親さんとの別れのシーンを思い出して赤ちゃんに注がれる眼力は相当なものがあるなと感じさせられます。
こうして母の愛情は目から子供へて吸収されて行くのかなと思います。
1件の出会いがありそして分かれがあります。
勇気ある産みの親の決断が自分たちの幸せを運んで来て下さいます。
長い時間が経過してもこの感謝の気持ちは決して忘れてはいけません。
裁判が確定して実子になっても産みの親には私達はなれませんから。
時々、大きな勘違いをする方がいらっしゃいます。

子供との出会いの前に辛く悲しい別れの涙がある事もしっかり受け止めて行きましょう。
そしていつも感謝です。感謝の気持ちを決して失ってはいけないと思います。
何1つ自分の力で幸運を招いたなんて考えはまずあり得ません。
ここまで来るには沢山の方の努力と見えないご縁が導いて下さった事をお心に留めおき下さい。

駅で元気に「養親さんによろしくお願いしますとお伝え下さい」と明るく去って行った実親さんに感動して帰りました。


赤ちゃんの退院の時に駅で立って迎えて下さいました。
また呼んで下さい!セント君


あたちたちラブラブよね
チぃママの恋話より上だね・・・仲良しだもんね!!うんうん

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